統合シナリオでのデジタルペイメントの使用

SAP S/4HANA Cloud の SD モジュールと SAP デジタルペイメントアドオンの統合は、SAP デジタルペイメントアドオンの利用を示すために使用する主なプロセスです。支払カード支払のエンドツーエンドビジネスシナリオを実行するには、以下のステップが必要です。

販売責任者が SAP S/4HANA Cloud にログオンし、ビジネスパートナアカウントにクレジットカードを追加します。

• 顧客が新規支払カードの登録を希望し、販売担当者に連絡します。
• 販売責任者は、SAP デジタルペイメントアドオンが PSP に接続するビジネスパートナマスタデータにアクセスします。支払カード入力ユーザインタフェースが開き、支払カードデータを入力します。
• 支払カードを含む得意先データが PSP で登録されます。
• 支払カードが PSP に保存され、トークン化されます。
• トークン化された支払カードデータは、SAP S/4HANA のビジネスパートナレコードに保存されます。

選択した支払カードが受注の承認に使用されます。

• 受注の登録時に、支払カードによって支払われる未消込明細を選択することができます。
• また、受注金額を複数の支払カードで複数の支払に分割することもできます。
• 選択した未消込明細の数が、SAP デジタルペイメントアドオンを介して支払カードとともに PSP に送信されます。
• 金額は PSP を介して承認され、権限番号が SAP S/4HANA Cloud SD に提供されます。
• 権限番号は、追加処理のために SAP S/4HANA FI-AR に転送されます。

この時点で、ロジスティクスプロセスを通常どおり実行することができます。得意先に商品を出庫する前に、追加のクレジットカード権限チェックを再実行するオプションが用意されています。ステップの最後に、出荷伝票と請求伝票が登録されます。

商品が得意先に出荷され、対応する請求書が後で登録されたら、以前に承認された支払カードを使用して現金回収をトリガします。

• 決済のために PSP に送信される支払カード支払を選択するためのジョブが登録されます。
• このジョブは、即時に実行することも、後で実行されるようにスケジュールすることもできます。
• 決済実行はキャプチャステップであり、これにより、クレジットカード支払の支払サービスプロバイダの消込勘定の PSP に対する未消込明細が生成されます。
• 包括的なログにより、ジョブの結果に関する詳細が提供されます。

各 PSP に応じて、実際の決済後に支払明細通知書が提供され、SAP デジタルペイメントアドオンを介して処理されます。この通知処理では主に、取得された支払の確認が返されます。

• 支払明細通知書をアップロードするためのジョブが登録されます。即時に実行することも、後で実行されるようにスケジュールすることもできます。
• 取得された支払の確認に加えて、このジョブでは、SAP S/4HANA がまだ識別されておらず、記録する必要がある追加取引 (手数料、返品、マニュアル支払など) も返されます。
• 包括的なログにより、ジョブの結果に関する詳細が提供されます。