ルールベース消込の定義

SAP S/4HANA Cloud Public Edition での銀行報告書のアップロードおよび支払消込のプロセスについては、以下のビデオを視聴してください。銀行報告書明細の自動化および管理に関連する方法、ルール、およびステップについて理解します。

前の章では、外部銀行報告書が SAP S/4HANA Cloud システムにどのようにフィードされるのかについて説明しました。これを実現するには、いくつかの方法があります。以下の図は、SAP Multi-Bank Connectivity が取引銀行と SAP S/4HANA Cloud システム間の仲介者としてどのように機能するかを示しています。

銀行報告書が SAP S/4HANA Cloud, public edition にインポートされると、最初に、自動処理ルールおよび設定済転記ルールを使用して、未消込明細および銀行報告書明細を基礎となる解釈アルゴリズムと照合しようとします。電子銀行報告書グローバル設定の設定アクティビティでは、外部取引タイプと特定の転記ルールの間の関連を指定することができます。一致する未消込明細が仮消込提案としてデータベーステーブルに登録されます。

SAP S/4HANA Cloud, public edition では、転記ルールが事前定義および事前設定されており、カスタマが変更できないことに留意してください。これらのルールは、プラットフォーム全体で整合性とコンプライアンスを確保するために標準化されています。ただし、特定のニーズに応じて処理ルールを柔軟に調整および変更することができます。この区別により、システム整合性の維持と、照合プロセスで適切なカスタマイズオプションの提供を両立することができます。

ルールベース消込は、複数の処理ステップを通過します。これは、外部提供の外部取引コードが含まれる銀行報告書から開始されます。SAP S/4HANA Cloud システムへの報告書のインポートにより、明細情報が処理されます。勘定設定を実行するために、各取引の外部取引コードが SAP 内部転記ルールに対して解釈およびマッチングされます。

受信した銀行報告書明細情報で得意先未消込明細を消し込むために、SAP S/4HANA Cloud で複数の解釈アルゴリズムを使用することができます。このようにして、取引のメモ行のどの情報を未消込明細テーブルのデータと照合する必要があるかをシステムに通知します。考えられるシナリオは、伝票番号検索、参照伝票番号検索、支払依頼番号などです。この設定は、請求書で提供される情報と、支払時に得意先が返却する必要がある情報に大きく依存します。

一致が見つかった場合、一致する未消込明細が中間消込提案としてデータベーステーブルに保存されます。提供された参照情報に基づき、入金を未消込明細と照合できない場合は、転記および消込処理の第 2 フェーズが開始されます。

事前定義された転記ルールを使用して、入金と得意先未消込明細のマッチングに失敗すると、残りの銀行報告書情報がカスタム処理ルールに照らしてチェックされます。

この銀行報告書処理の次のレイヤは、簡単でユーザフレンドリな再処理ルールの登録によって特徴付けられます。SAP Fiori アプリ処理ルール管理 - 銀行報告書の組込機能により、ルールを簡単に構築および管理し、新しいビジネスニーズが発生するたびに調整することができます。ルールはカスタム調整されていますが、チームと共有することもできます。その上、これらのルールを簡単にアップロードおよびダウンロードして、異なるシステムランドスケープ間で簡単に移動することができます。これは、財務業務をシンプル化するオールインワンのツールです。

SAP S/4HANA Cloud で銀行報告書処理の自動処理ルールを設定する方法について説明します。効率的な財務業務のためのルールの作成、適用、自動化に関するステップバイステップの手順をご覧ください。詳細については、［再生］ボタンを選択してください。

通常、自動化された処理ルールはバックグラウンドで実行され、銀行報告書明細およびロックボックス明細が自動的に処理されます。これにより、マニュアルのワークロードが軽減されます。自動化が有効な処理ルールを定義し、処理ルールの一部を調整して転記処理を拡張し、処理ルールが自動的に実行されるときに 2 ステップ転記を開始できるようにすることができます。

処理ルールは、エンドユーザ向けの強力なツールであり、いくつかの主な利点を提供します。

俊敏性：ユーザーは、IT 部門の関与なしで、クリアリングルールを自分で迅速に導入およびテストできます。

柔軟性：これにより、変化するビジネスシナリオやモデルに迅速に対応できます。

効率性: 処理ルールを使用することで、時間のかかる時間のかかるマニュアル消込プロセスを回避することができます。

ユーザーエンパワーメント：エンドユーザーは、技術的な専門知識がなくても、財務プロセスを管理し、特定のニーズに合わせて調整することができます。

これらの処理ルールを使用することで、組織は銀行報告書の照合プロセスを大幅に合理化できるため、精度が向上し、処理時間が短縮されます。

銀行報告書の処理時の処理効率を向上させるもう 1 つの方法は、テンプレートベースの処理ルールを登録することです。この機能では、過去の転記および消込が分析され、過去のデータを使用して、個別のニーズに合わせて調整された処理ルールのテンプレートが生成されます。テンプレートに基づいて処理ルールを登録すると、マニュアルワークロードが軽減され、銀行報告書明細を処理できる効率的な処理ルールを迅速に取得することができます。