SAP HANA アラート
SAP HANA データベースでは、ステータス、パフォーマンス、およびリソース使用に関する情報を、そのすべてのコンポーネントから継続的に収集および評価しています。
管理者はシステムのステータスとサービス、およびシステムリソースの消費を能動的に監視します。ただし、重大な状況 (たとえば、ディスクが満杯になっている、CPU の使用量が重大なレベルに達している、サーバが停止したなど) についてはアラートも発行されます。
データベース内のすべてのアラートの概要が、SAP HANA コックピットのホームページに表示されます。これらのアラートに関する詳細情報を取得してアラートの発生履歴を分析するために、Alerts アプリケーションにドリルダウンできます。
また、SAP HANA データベースのアラートをニーズに合わせて調整できるように、いくつかの設定オプションが用意されています。たとえば、アラートしきい値の変更、アラートの電子メール通知の設定、および特定のアラートのオン/オフの切替などです。
Alerts カードでは、アラートがカウントされ、SAP HANA で定義された最も重要な 10 のアラートカテゴリにグループ化されます。View By KPA (主要パフォーマンス領域) を使用して、アラートカテゴリとアラート KPA を切り替えます。SAP HANA コックピットの右上隅にある Refresh - Now ボタンを使用して、表示されたデータをリフレッシュすることができます。

Alerts アプリケーションを開くには、Alerts カードを選択します。
SAP HANA データベースの内部監視インフラストラクチャは、SAP HANA データベースのすべてのコンポーネントから、ステータス、パフォーマンス、およびリソース使用に関する情報を継続的に収集および評価しています。また、システムテーブルおよびビューのデータに対して定期的なチェックが実行され、設定可能なしきい値を超えた場合には、潜在的な問題を警告するアラートが発行されます。アラートの優先度は問題の重大度を示し、チェックの特性と設定済のしきい値に依存します。たとえば、使用可能なディスク領域の 90% が使用されると、低い優先度のアラートが発行され、98% が使用されると、高い優先度のアラートが発行されます。
| 優先度 | 説明 |
|---|---|
| Information | システムパフォーマンスまたは安定性を向上させるために推奨されるアクション |
| Low | ダウンタイムのリスクを軽減するために必要な中期的アクション |
| Medium | ダウンタイムのリスクを軽減するために必要な短期的アクション (数時間、数日) |
| High | ダウンタイム、データ損失、またはデータ破損のリスクを軽減するために必要な即時アクション |
アラート分析
最も重要なアラートは、Alerts カードに表示されます。これにより、重要なアラートは目立つようになり、データベース管理者は、表示されたアラートを迅速に調査することができます。Alerts アプリを開くには、SAP HANA コックピットの Overview ページで Alerts カードを選択します。すべての最新アラートは左側に一覧形式で表示されます。

フィルタリング、検索、および並替に利用可能なオプションを使用すると、分析対象のアラートを検索して選択できます。アラートに関する詳細情報 (特定の時間枠でアラートが発行された頻度を示すグラフなど) が右側に表示されます。
分析する時間枠を選択します。デフォルトでは、過去 24 時間における 1 時間あたりの発生数が表示されます。
表示されたアラートをさらに調査するために、以下の追加オプションを使用することができます。
- フィルタ項目 (1) を使用して、アラート、優先度、時間範囲、またはカテゴリを指定することができます。
- タイプドロップダウンリスト (2) を使用して、システム内の現在と過去のアラートを切り替えることができます。これは、以前の問題によって発生する可能性がある問題の根本的原因を調査する場合に役立ちます。
- テーブルのソートボタン (3) を使用して、表示されるアラートのソート順序を変更することができます。
- 詳細ボタン (4) を使用して、アラートテキスト全体および最後の発生を確認することができます。
- アラート定義詳細ボタン (5) を使用して、次にスケジュールされた実行および間隔設定を表示することができます。
- 提案ソリューションボタン (6) を使用して、SAP 関連ソリューションオプションを取得することができます。
- 発生ボタン (7) を使用して、アラートの履歴をレビューすることができます。
- 今すぐチェックボタン (8) を使用して、アラートチェッカーをマニュアルで実行することができます。
- アラート定義の編集ボタン (9) を使用して、アラート設定エディタを呼び出すことができます。アラートチェッカーアプリケーションを使用して、しきい値の設定、間隔値の設定、アラートの電子メール受信者の設定、およびアラートチェッカーの有効化または無効化を行うことができます。
注意
アラートチェッカーの無効化は、ユーザが問題を解決しなかったため不適切な手法です。あなたは、この問題について通知されるのを止めただけです。
統計サービスのデータコレクタによって収集されたデータは、デフォルト日数の経過後に削除されます。コレクタの大部分のデフォルト保持期間は 42 日です。
アラートを選択すると、そのアラートに関する詳細情報が右側に表示されます。アラートに関する以下の詳細情報が提供されます。
Category
アラートを発行したアラートチェッカーのカテゴリが表示されます。
アラートチェッカーは、メモリ使用量やトランザクション管理に関連するものなどのカテゴリに分類されます。
Next Scheduled Run
関連するアラートチェッカーの次回のスケジュール済実行が表示されます。
アラートチェッカーがオフになっている場合 (アラートチェッカーのステータスが Switched Off)、または前回の実行時に失敗した場合 (アラートチェッカーのステータスが Failed) は、アラートチェッカーがスケジュールされなくなるため、この項目は空になります。
間隔
関連するアラートチェッカーが実行される頻度が表示されます。
アラートチェッカーがオフになっている場合 (アラートチェッカーのステータスが Switched Off)、または前回の実行時に失敗した場合 (アラートチェッカーのステータスが Failed) は、アラートチェッカーがスケジュールされなくなるため、この項目は空になります。
Alerting Host and Port
アラートを発行したホストの名称とポートが表示されます。
システムレプリケーションシナリオでは、セカンダリシステムホストによって発行されたアラートをここで特定することができます。これにより、実際のフェイルオーバーの前に問題に対処することで、セカンダリシステムの可用性を確保することができます。
Alert Checker
関連するアラートチェッカーの名称と内容説明が表示されます。
提案されたソリューション
アラートで特定された問題を解決するための可能な方法が、サポートアプリへのリンクとともに表示されます (利用可能な場合)。
Past Occurrences of Alert
過去にアラートが発生した頻度を示す、設定可能なグラフィック表示です。
動作の仕組み
また、SAP HANA データベースのアラートをニーズに合わせて調整できるように、いくつかの設定オプション (たとえば、アラートしきい値の変更、特定のアラートのオフ、アラートの電子メール通知の設定など) を使用することができます。
SAP HANA データベース管理者は、システムのステータスとサービス、およびシステムリソースの消費を監視する必要があります。重大な状況が発生した場合は、適切なアクションを適時に実行できるように、通知を受ける必要があります。データセンタ作業およびリソース割当計画の場合、監視データ履歴を分析する必要があります。これらの要件は、SAP HANA の内部監視インフラストラクチャによって満たされます。
SAP HANA データベースのこれらの監視機能およびアラート機能は、統計サービスによって実行されます。統計サービスは、SAP HANA の内部監視インフラストラクチャの中心的な要素です。統計サービスは、システムで危機的な状況が発生したときにそれを通知し、分析のための監視データ履歴を提供します。これは SQL を使用して統計情報とパフォーマンス情報を収集します。

統計サービスは、システムに属するすべてのコンポーネントから、ステータス、パフォーマンス、およびリソース消費についての情報を収集して評価します。
監視およびアラート情報は、専用スキーマ (_SYS_STATISTICS) のデータベーステーブルに保存されます。SAP HANA コックピットはそこから情報にアクセスすることができます。システムビューのデータは、特定のしきい値に照らして評価されます。これにより、電子メール通知などの、設定されたフォローアップ活動がトリガされることがあります。
統計サービスは、マスタインデックスサーバの一連のテーブルと SQLScript プロシージャ、およびマスタネームサーバで実行される統計スケジューラスレッドによって実装されます。SQLScript プロシージャは、データを収集するか (データコレクタ)、アラート条件 (アラートチェッカ) を評価します。プロシージャは、データコレクタまたはアラートチェッカーの設定で指定されたスケジューラスレッドによって定期的に呼び出されます。データコレクタプロシージャによりシステムビューとテーブルが読み込まれ、データが処理され (たとえば、永続値を読込値から計算する必要がある場合)、計測履歴を登録するために処理済データが計測テーブルに保存されます。
このスケジューラスレッドは、nameserver サービスで実行される統計サーバの一部です。呼出がインデックスサーバに送信され、SQLScript プロシージャが呼び出されます。
アラートチェッカープロシージャは、データコレクタプロシージャとは別にスケジュールされます。測定履歴テーブルからではなく、元のシステムテーブルおよびビューから現在のデータが読み込まれます。データの読込後、アラートチェッカーの手順によって、設定されたアラート条件が評価されます。アラート条件が満たされると、対応するアラートがアラートテーブルに書き込まれます。そこから、アラートを表示する監視ツールからアクセスすることができます。また、アラート条件が満たされると、電子メール通知が管理者に送信されるように設定することもできます。アラートの重大度レベルに応じて、サマリメールが適切な頻度 (毎時、6 時間ごと、または毎日) で送信されます。監視ツール (SAP HANA コックピットなど) からアラートチェッカープロシージャを直接トリガすることもできます。
統計サービスでのデータ管理
統計サービスによって収集および生成されるデータの量を管理するために、以下のメカニズムがあります。
- 設定可能なデータ保存期間
統計サービスのデータコレクタによって収集されたデータは、デフォルト日数の経過後に削除されます。コレクタの大部分のデフォルト保持期間は 42 日です。デフォルトの保持期間が異なる一連のコレクタについては、以下の文を実行します。
Code Snippet1SELECT o.name, s.retention_days_default FROM _SYS_STATISTICS.STATISTICS_SCHEDULE s, _SYS_STATISTICS.STATISTICS_OBJECTS o WHERE s.id = o.id AND o.type = 'Collector'and s.retention_days_default != 42 order by 1;以下の SQL 文を使用して、個々のデータコレクタの保存期間を変更することができます。
Code Snippet1UPDATE _SYS_STATISTICS.STATISTICS_SCHEDULE set RETENTION_DAYS_CURRENT=<retention_period_in_days> where ID=<ID_of_data_collector>;注記
データコレクタの ID を特定するには、以下の文を実行します。
Code Snippet1SELECT * from _SYS_STATISTICS.STATISTICS_OBJECTS where type = 'Collector';_SYS_STATISTICS.STATISTICS_ALERTS テーブルのアラートデータも、42 日後にデフォルトで削除されます。この保持期間は、以下の文を使用して変更することができます。
Code Snippet1UPDATE _SYS_STATISTICS.STATISTICS_SCHEDULE set RETENTION_DAYS_CURRENT=<retention_period_in_days> where ID=6002; - アラートの最大数
デフォルトでは、システム内のアラートの数 (つまり、テーブル _SYS_STATISTICS.STATISTICS_ALERTS_BASE の行数) は 1,000,000 を超えることはできません。この数を超過すると、アラート数が最大数を下回るまで、10% ずつ行削除が開始されます。
許可されるアラートの最大数を変更するには、キー internal.alerts.maxrows の行と新しい最大値をテーブル _SYS_STATISTICS に追加します。" STATISTICS_PROPERTIES
Code Snippet1INSERT INTO _SYS_STATISTICS.STATISTICS_PROPERTIES VALUES ('internal.alerts.maxrows', 500000);
マルチテナントデータベースコンテナの統計サービス
複数コンテナシステムでは、統計サービスは、すべてのテナントデータベースの (マスタ) インデックスサーバで埋込プロセスとして実行されます。すべてのデータベースに独自の _SYS_STATISTICS スキーマがあります。
SAP HANA コックピットなどの監視ツールを使用すると、システムデータベースの管理者は、個々のテナントデータベースで発生する特定のアラートにアクセスすることができます。ただし、このアクセスは、ホスト上の物理メモリが不足しているなど、システム全体に影響する可能性がある状況を特定するアラートに制限されます。テナントデータベースのデータ (テーブル名など) を公開するアラートは、システムデータベースのシステム管理者には表示されません。

